覚悟のススメ

なぜ覚悟思考とは何か

筆者はプロフに説明した通りに2021年の8月に癌を再発しました。これは今までの人生で1番メンタルに堪えました。

その過程で身につけたのは「覚悟思考」です。

具体的には毎日死ぬ事を身近に想いを馳せる事です。
明日死ぬ覚悟はあるのか?明日死ぬとしたら何をするのか?

そもそも今までの人生で私はそこまでの覚悟が必要なかったように殆どの人にとって生きていくのに覚悟は必要ないかもしれません。

ですがこの数十年で起こった事を考えてみて下さい。
リーマンショック、東日本大震災や原発問題、そしてこのコロナパンデミック。

世の中は自分の想像を超えた事が起きる。
私自身にしてみればミドルフォーティーで癌罹患、そして再発も想像を超えた出来事でした。

死ぬ事に想いを馳せ覚悟を決めるとどんな良い事が起こるのか?
それは「悩みがなくなる」事に尽きます。

皆さんも悩みがあると思います。
嫌な上司の説教を聞かなければいけない、仕事で成果が出ない。恋愛が上手くいかないetctec
その悩みに対し都度小手先で解決されていると思います。
人に相談する、スポーツをする、酒でストレスを発散させる。

私にもそんな悩みがそれなりにありました。
でもそんな悩みはいま全て消えました。
何故なら死ぬ事に比べたらかすり傷だからです。

嫌な上司は死にそうになっていても助けてくれる訳ではありません。
今怖い上司に何を言われていても全く気になりません。
人と比べてもしょうがない、自分なりに自分のストーリーを紡ぐしかないのです。

逆境のプロとなり今まで悩んでいた時間を行動にあてられる為に有意義に日常を過ごせます。

もし覚悟を決めなければ

逆に癌に罹った時に覚悟を決めなければどうなるのでしょうか?

過去の事を振り返り何故癌になったのだろうかと堂々巡りの事を考えてしまいます。
未来の事を考えれば又再発になるかもと言う不安で一杯になります。

その結果、今を失う事になると思います。
癌に罹っていようがいまいが命を失うまで今はあり続けます。

その今を大事にする為には覚悟を決め、感情の余白を作り、今を大事にしなければいけないと悟ったのです。

覚悟を決める方法

覚悟を決める大切さ必要性は理解しましたが、次に悩んだのはどうやって覚悟を決めたら良いかでした。

口では言っても腹を括る事は中々出来ませんでした。
相談しようにも同じシチュエーションを経験した人もいませんでした。

答えは本にありました。私は下記の事を行ないました。

①今から想像しうる限り最悪の事態とそれに対する対処を書き出してみる。
②出来るだけ大きな時間の流れ、地球上の広さで自分に起こっている事の出来事を捉えてみる。

①については今後自分に起こりうる最悪の状況を色々想像を膨らませてみました。

後遺症で外見が浮腫んでしまって人前に立てななる。
再発を繰り返しフルタイムの仕事が出来なくなる。
再発を繰り返し治療費が無くなる、機能障害を起こし女性をセックス出来なくなるなど。
色々想像を膨らませてその最悪な状態が起こった時に何を諦め、何を目標として生きていくかをしばし整理して考えました。

②については

今までの人類の歴史の流れを見て行き自分がどの時点に経っているかを考えました。

すぐに気づいたのは治療法の数は有限であり、再発を繰り返せば命を落とす可能性が
あるとはいえ「現在」そして「日本」に生まれているから治療を受ける事が出来、また完治する可能性も多く残されているのだという事。この治療が確立されるまで多くの人の命が犠牲になり、多くの人の治験や医学発展に注力した人達がいた事、それが容易に想像できました。そしてその医学の発展に力を注いだ多くの人は今殆どがお亡くなりになっています。そしてそれを感じた時に私は死者の屍に乗って今「生かされているのだ」という感謝しかありませんでした。

次に自然界に目を向けて自分の比較を行ないました。
そこでも気がついたのは私は人間だから癌になっても生かされているのだと思いました。
私がもしシマウマなら私は群れから逸れオオカミに食べられてしまっていた事でしょう。

今現在、日本で人間として生まれ生かされている事に感謝しかありませんでした。
その感謝を感じた時、初めて全身にポジティブな想念で満たす事が出来ました。

この感謝の力は強力でその力でようやく前を向いて歩けるようになったのです。

死生観を定める事

死生観について話す事は現在ではタブーに近い事ではあります。

私がこのような死ぬ事について話すと極端に嫌がる人が多いです。

ですが自然界において死はタブーではありません。
草木は実り枯れる、動物は寿命で死に、飢えで死に、食物連鎖上位の動物に狩られて食べられたりもします。
人間界においても近年のように寿命が異常に伸びた頃より前は死と隣り合わせにありました。飢饉もありましたし、災害を防ぐ技術もなかったですし、戦争も頻発していた。

死ぬ事が日常から遠くなり、死を語る事がタブーとされ、寿命が長く伸びた事により
かつての「私」のように覚悟が決まらない人間が増えたとはいえないでしょうか。

「死生観」が殆どの人は定まっていません。
だからこそ定める事により他の人と大きく差をつける事になると思ってます。

覚悟を決めた人達

上記の考えに至るには私の想像力だけでは不十分で「本」と「映画」に救われました。
その幾つかを紹介したいと思います。

まず「覚悟思考が結果を出す」(三崎和雄著)

三崎和雄さんは元総合格闘家でPrideのウェルター級のチャンピオンだった方です。
三崎さんはPrideのリングに上がるようになってから「出来るだけ強い相手と戦わして欲しい」と言ってきたそうです。それが彼の総合格闘家としての覚悟であり姿勢であったそうです。彼は試合前には常に死を覚悟し遺書を書いて試合に臨んだそうです。彼が試合前のリングチェックではまず仰向けになり相手にKOされた所をイメージする事だったそうです。彼がリングの上で結果を出し続けられたのはこの死生観に基づく「覚悟思考」であったそうです。私は癌闘病も彼と同じような心持ちで戦えば良いのかと思いました。

次に「生き急ぐ」(磯部一郎著)

彼は私と同じホジキンリンパ腫に7回再発した方で現在も癌と闘病中であられます。複数回再発の代償は小さくなく片目、片肺を失い、一時期は余命宣告までされたそうです。同時に彼は現役で今もIT会社を現在複数経営されています。
彼の言葉に「最悪の想定」と「最高の想定」をする事が大切だというものがあります。再発、寛解を繰り返す中で身につけた考え方で覚悟を決める事により「心の余白」を作る事によりどんな時も迅速に動けるようになりその考え方は経営にも以下され、その生き方は私を含め色々な人に大きな影響を与えています。

最後に「全ては導かれている(逆境を超え人生を拓く5つの覚悟)」(田坂広志著)

田坂先生は多摩川大学名誉教授であり工学博士であられながら「死生観」に基づく生き方、リーダーシップの発揮の仕方、仕事論について多数本を執筆されています。田坂先生は若い頃医者も見放すような大病に罹られたそうです。その後病を克服され、逆境で得た力を発揮されて大成された方です。
彼の本は名言連発なのですが特に「過去は無い、未来も無い。有るのは永遠に続く今だけた。今を生きよ!」「人生には成功は約束されていない。だが成長は約束されている」という言葉には癌再発で弱っていた私の心に響き、感動してギャン泣きしてしまいました。

最後に映画を1本紹介させて下さい。
「Earth」というドキュメンタリーです。
地球の北極から南極までの自然とそこに生息する動物の営みを淡々と撮った美しい作品です。

こういうドキュメンタリーを見ると自然界は厳しく美しく、人間関係の模様は如何に小さいか思い知らせれます。結局そこに終始してしまうから本質を見失うのでは無いでしょうか。自然界には残酷な食物連鎖が存在しますが、パワーバランスはグルっと回って循環しています。

結論:覚悟思考の勧め(死生観を定める事)

覚悟は定まっていなくても今の日本生きてはいけます。
ですが定まっていたほうが明らかに生きやすくなります。
個々の悩みを減らし心が軽く出来るからです。それが迷いのない行動に繋がります。
それが充実した人生へと結びつきます。

人間は必ずいつか死にます。
その死がいつ訪れるかわかりません。
なので恐れるべきは「死ぬ事」でなく「死ぬ前にやりたい事をやり残す事」なのです。

もし覚悟を決めたいのに一歩も動けない人はどうか、私の上記の技法をトライして下さい。必ずやポジティブな想念で満たせるかと思います。

人間腹を括ったもん勝ちです。腹を先に括った人がより良き人生を送れると思います。

 

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