癌は遺伝か?生活習慣病か?

はじめに

癌に罹患して癌患者が苦しむのは「何故私が癌に罹患したのか?」という問いに中々答えを出せないという事です。

私が色々本を読んでわかった結果を書きます。
ざっくり言って癌に罹患する要因の分類は5〜10%は遺伝的要因(要因①)、30%は生活習慣病要因(要因②)、残り60%は「偶発的要因」(遺伝子突然変異)(要因③)によるものだそうです。そしてその偶発的要因は老化と大きく相関があります。

その各要因によってどれだけ各臓器に癌罹患したかを図にした物が以下の図となります。(「最高の癌治療」より抜粋)

ざっくり言うと癌罹患要因は特定する事は難しく、予防をする事がかなり難しいという残酷な事実があります。
生活習慣で気をつけられる事は気をつける、どうしても心配な人は癌検診を定期的に受検する。後はいつ罹患しても良いように「今を全力で生きる」事が大切だと私は感じます。

まず前提として

同じ癌でも固形癌であるか血液癌であるか、同じ固形癌でもどの臓器にできるか
そしてその進行具合がどれくらいなのかで治療方法や期待できる治癒度、発生要因が全く異なります。

つまり癌は一括りにして議論する事がとてもナンセンスなのです。

「最近は医療が進歩しているから多少癌が進行しても治る」
「癌がステージ4までいけば余命宣告される」

こんな話を結構教養のある人達でも平気でするのに驚かされます。
癌にも色々あり、その治療の難易度も副作用の苦しみも色々だという事は一般の人も常識として知っておいて欲しいものです。

要因①:遺伝的要因について

癌罹患に関しての遺伝的要因については私は遺伝子検査をする事をお勧めします。
勿論「癌家系であるか否か」という判断は一昔前ならありましたが今は遺伝子解析が安価で又それによりビッグデータが集まって来ておりますので癌罹患の遺伝子リスクが安価なテストで測れるようになっております(過去記事ご参照下さい)

遺伝子検査の勧め

その遺伝子検査をしてみると癌の遺伝リスクが定量的に測れますし、以外と影響度が少ないという事も知る事がわかったりします。

要因②:生活習慣要因について

「癌は生活習慣病」と言い切っている表現は色々な場所で見受けられる話です。
これは誤解を招く表現で「一部の癌は生活習慣が原因で起こる」が正しいと言えます。

例えば赤身肉の摂取と大腸癌は関連が多少ある事が分かっています。
また塩分の摂取量と胃癌の関連タバコの摂取と肺癌の関連などです。

この「最高の癌治療」の中ではストレスと癌発生は関連あるとするエビデンスはない!と言い切っておられます。

そもそも人の体質によって合う合わない食事があるのは当たり前の話であり特定の食べ物が癌発生に影響を及ぼすというのは関連性を探すのが難しいと言えるでしょう。
同じように特定の食べ物が癌を治すのに奏功するという話も信じないほうが良いと言えると思います。

要因③:偶発的要因について

3つ目の遺伝子要因は遺伝子の突然変異により引き起こされるものです。
この偶発的要因は「老化」と相関があります。

より年齢を重ねていく事に遺伝子劣化が起こるので癌に罹患しやすくなる。
しかしご存知のように癌は年配の人だけがなるものではないです。
ある確率で若きの人も罹患します。

偶発的要因とは言い換えれば「運」という事です。

癌に罹った時、その論理を受け入れられるかどうか。

私は最初は受け入れられませんでした。
筆者は理系でありエンジニアの仕事をしておりました。
原因があり結果がある、不具合については根本原因を探り応急対策でなく恒久対策を施す必要がある。その考えを叩き込まれてきました。

しかしながら考えを進めていくうちに世の中は理不尽な事も起こる。
身体の事、地球環境の事、宇宙の事。突き詰めれば突き詰めれる程、簡単に人知で割り切れない世界もあるのだと知りました。

「人事を尽くして天命を待つ」

その一言に尽きるのだろうと今は思っております。

ネガティブケイパビリティについて

色々な理由があると思いますが怪しい癌の民間療法に騙されるのはこの「癌にかかるかどうかは運次第が大きい」という不条理を受け入れられないのだと思っております。

わかりやすい説明が欲しい。
わかりやすい解決策が欲しい。

そんな人間心理につけこんだ商売が今巷にある癌の民間療法であり、これは間接的に人を殺しているのと何ら変わらないと私は感じています。

その見分けかたは1点です。
上記のように癌というのは色々な複雑なファクターが折り重なって生じる疾患で臓器の部位ごとに要因が異なっています。

だから「癌は〇〇したら治った」というような癌を一括りにしたような言説は相手にしない方が良いと私は思います。

このような不確実なものや未解決のものをそのまま受容する力を「ネガティブケイパビリティ」と呼ぶそうです。
東北大震災、原発問題、コロナパンデミックなど中々複雑な要因を持つ問題に対して求められる姿勢が求められるのではないでしょうか。

まとめ:癌予防・治療について

私の癌予防・治療について考えを下記にまとめます。

※遺伝子検査やってみましょう!(癌には遺伝子要素が大きい物とそうでない物があります)
※生活習慣変えましょう!(タバコと赤身肉は気をつけましょう、ただ過度に気にしすぎる事はないと思います)
※安易な民間療法に騙されないようにしましょう!(特定の食事が癌を消すなどという事はない事を理解しましょう)
※ネガティブケイパビリティという言葉を知っておくと役にたちます。
※癌が怖い人は検診を受けましょう!(癌はサイレントキラーなので早期発見には検診が必要です)
※以上の事を実行したとしても癌予防は完全にするのは不可能です。過度に恐れるのでなく「今を生きる」事に全力を注ぎましょう。

 

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